寺田芳弘研究室

Research

新規高温材料強化機構を利用した超高温用材料の開発

『異相界面強化』と称する新規な高温材料強化機構を創造した。
強化量を最大化することを企図して,サブミクロンサイズの層状に材料組織を制御している。
高融点の合金に対し異相界面強化を適用することにより,新規な超高温材料を開発することが可能となる。
開発研究とあわせて,基礎研究についても同時に進めている。


【関連論文】
変形機構(doi:10.2320/jinstmet.JAW202301), 異相界面強化(doi.org/10.3390/met11121913), 組織安定性(doi:10.2320/matertrans.MT-M2020376)

難燃性能を有する高強度軽量耐熱マグネシウム合金の高温変形特性

高強度耐熱マグネシウム合金の高温変形特性に関する基礎的研究である。
C36-(Mg,Al)2Ca 共晶相による『被覆強化』が,Mg-Al-Ca 系合金における主要な高温材料強化機構となる。
C36 相はデンドライト境界近傍のマントル領域をふさぎ,コア領域の体積率を高める役割を果たす。
C15-Al2Ca 粒内析出相の厚さは 1.5 nm であり,高温では転位すべりの有効な障害物になり難い。

鍛造 Ni 基超合金における組織制御と高温強度の基礎的研究

γ 母相を模擬した Ni-20mass%Cr 系固溶体を用いて,クリープ強化の原理を明確化した。
クリープ強化の原理は Enhancing core region renders a material stronger である。
Core intensity と Core fraction を高めるという戦略的視点に立って,鍛造 Ni 基超合金の高強度化を推進する。
γ'-Ni3(Al,Ti) 析出相の高温使用中における形態変化過程は,ミスフィット値により一義的に決まる。


【関連論文】
強化の原理(doi:10.2320/jinstmet.J2023040), 組織形態変化過程(doi:10.2320/matertrans.MT-M2020183), Udimet 520(doi:10.2320/matertrans.MT-M2020115)

先進超々臨界圧火力発電プラント用合金の材料組織設計

高温安定な金属間化合物相の析出粗大化現象に興味を持っている。
M23C6 などの炭化物は,金属間化合物相における析出現象の判別を困難にする雑味と認識している。
炭素を完全に free とした合金を使用し,γ'' 相,δ 相,C14-Fe2W 相などのノーズ温度を明らかにした。
C 曲線などの知見は,高温材料開発の基礎データとして社会に必要となる。